理事長挨拶

第68代 理事長
竹尾 友宏

 平素から一般社団法人蒲郡青年会議所の活動に対し格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

 2024年度、私たち蒲郡青年会議所は“楽しいを原動力に ~前向きであることは人・組織・まちを動かす力となる~”というスローガンを掲げて活動を進めて参ります。

 現在は高度な情報社会の時代であると考えており、情報の扱い方が非常に重要であると感じています。日々、スマートフォンやPC、テレビや新聞などを目にしており、数多の情報の中から必要なものや興味のあるものを選択しています。そのような時代の中で、私たちがまちをより良くするための運動を効果的に展開していくためには、多くの人に私たちが発信する情報を選んでいただく必要があると考えています。そこで本年度は「楽しい」という言葉をテーマに、「楽しい」を意識した事業や「楽しそう」な広報活動に取り組み、より多くの方に蒲郡青年会議所が起こす運動に関心を持っていただきたいと考えています。

 明るい豊かな社会の実現に向けて、会員一同が力を合わせて前向きに、笑顔で活動して参りますので、蒲郡青年会議所に対しての変わらぬご支援ご鞭撻をお願いするとともに、日頃より我々の活動にご理解とご協力を賜る全ての皆様の更なるご多幸とご健勝を心から御祈念申し上げます。


理事長所信

“楽しい”を原動力に
~前向きで在ることは人・組織・まちを動かす力となる~

【はじめに】

(一社)蒲郡青年会議所は68年目を迎えました。創立から今日にいたるまで、「修練」「奉仕」「友情」の青年会議所の三信条のもと、先輩方が私たちのまち蒲郡で「明るい豊かな社会」の実現をめざして、運動を展開してこられました。今、私たちが活動できているのは、そのような先輩方がこの組織を想い、活動してこられたからです。私たちも「明るい豊かな社会」の実現に向けて、この運動を未来へつなげていかなければなりません。そのためには、変化し続ける社会において地域社会を先導し、時流を読みながら進化し続ける組織でありたいと思います。

現在は高度な情報社会の時代です。スマートフォンやPCを開けば大量の情報が手に入り、誰もが広く情報を発信できます。情報を発信する側は、大量の情報の中でいかにして選ばれるか、つまりは、いかに楽しそうかどうか、楽しい体験や楽しそうな演出かを競い合っています。このような社会において、より多くの方に私たちの運動を発信し、巻き込んでいくためには「楽しそう」を演出し、「楽しい」を創出して、選ばれる組織となることが必要となってきます。また、青年会議所の活動は仕事や家庭を犠牲にして取り組むものではなく、限られた時間の中で活動に充てる時間を作りながら取り組むものです。そして、個人の成長や効果的な運動を展開していくためには、会員一人ひとりが活動に対する楽しさを感じながら前向きに取り組むことが重要です。「明るい豊かな社会」の実現を目指し、限られた時間の中で仲間と議論し、運動を発信することを楽しんでいきましょう。

私が考える明るい豊かな社会とは、多くの人が、自分が住み暮らすまちへの誇りと愛着を持ちながら楽しそうに生活し、未来への希望が抱ける社会であると考えます。私たちのまちでこれを実現するには、地域でのにぎわいの増加と未来のまちを担う人材、力強く生きていける青少年の育成が必要だと考えます。

【LOM運営と広報】

蒲郡青年会議所は「会議所」という名のとおり、会議によってさまざまなことを決定し、実行します。厳正で充実した会議を行い、法令や青年会議所のルールに則り公正な運営を行うことで、私たちの活動は人々から支持され、社会的な信用を得てきました。単年度制でありながら、このような運営によって組織としての一体性や連続性が確保され、安定した組織となります。会議の中でも「総会」は予算や人事などの組織運営に関わる重要事項に対して、会員全員の意思を表明する非常に重要な役割があります。しかしながら、近年では会員全員がそのような理解で総会に臨んでいるようには感じられません。漠然と、参加しなければいけないから行く総会ではなく、会員全員が総会を行う意味を理解したうえで、参加する場であるべきであると考えます。

また、我々が起こす運動の効果を上げるためには広報活動が欠かせません。蒲郡青年会議所は会員の力のみで活動を行っているわけではなく、様々な方の協力のもとで成り立っています。協力者に対して活動の紹介や報告を行うことは当然のことであると考えます。さらに、広報活動により我々の活動への共感者を増やすことは事業規模の拡大と会員拡大にもつながります。2024年は「楽しい」を演出した積極的な広報活動を行い、一人でも多く蒲郡青年会議所のファンを増やしていきましょう。

【まちづくりについて】

蒲郡市は人口減少と高齢化に伴い、若い世代の人数は減少傾向にあります。まちの未来を考えたときに、これは不安要素でしかありません。蒲郡青年会議所は以前からこの課題に取り組んでおり、2021年から始めた蒲郡若者議会はこの数年間で確実な効果を生んできました。しかしながら、若い世代全体を考えると、まだまだ取り組む必要性を感じます。一人でも多くの若い世代に、まちに関わる機会を増やして関心を持たせ、未来のまちづくりの担い手を増やしていくことは青年会議所の責務だと考えます。

また、まちのにぎわいは、住み暮らす人々がそのまちに誇りと愛着を持てるかの指標の一つになります。新型コロナウイルス感染症によって数年間、まちのにぎわいは制限の期間となりました。2023年春に新型コロナウイルス感染症は5類に引き下げられたことを皮切りに様々な祭事やイベントが復活しています。しかし、本来ならば継続された開催によって行われるべきであった伝統的なにぎわいの継承が、この期間によって希薄なものとなっています。これは特に、若い世代のまちに対する愛着の低下につながります。様々なことへの制限がなくなり、数年ぶりに自由に事業が構築できる今、若い世代を巻き込んで新しいにぎわいの創出に挑戦していきましょう。

【青少年の育成について】

まちで住み暮らす人々が未来に希望を抱くためには青少年の育成が欠かせません。私が幼少期であったころから現在を考えると、社会は想像ができなかったほどに変化しています。この変化は今後さらに加速していくと予測されており、社会の中で生きる我々には、変化に沿って適応していくことが必要となっています。そのような中でも、子どもたちは我々が思っている以上にこの変化に適応し、我々が知り得もしない新しいツールを使いこなしています。では、現在の子どもたちに我々ができることは何であろうか。それは、今後の社会がどのように変化しても変わらずに価値のあるもの、この先に必要となるであろうことを予測し、それらを学ぶ機会を提供していくことであると考えます。

蒲郡青年会議所が30年以上継続して開催してきたわんぱく相撲には、礼儀や礼節を学んでもらい、相手に対する思いやりの心を育むという狙いがあります。この先、さらに変化が予想される社会においてもこの思いやりの心は不変として重要なものであると考えます。

また、今後ますます変化する社会では、新しい価値が次々に生み出されていくことが予想されます。そのような社会において、現在の子どもたちが力強く生きていくためには、知識や情報を用いて新しい価値を生み出す創造力が必要になると考えます。何かを生み出すにはさまざまな課題や苦労が伴い、我慢強く取り組まなくてはならないことが多くあります。それらを乗り越えるには、取り組んでいることを楽しめるかどうかが大切になってきます。幼少期に楽しみながら何かを生み出す経験をした子どもたちは、今後、どのような社会に変化しても新しい価値を生み出せる人材へと成長してくれると考えます。子どもたちがワクワクしながら成長できる運動を展開していきましょう。

【会員拡大について】

近年、蒲郡青年会議所が長年掲げてきた目標である50名体制にあともう少しのところまで迫っています。蒲郡青年会議所は会員の会費によって活動することができ、会員の人数によって展開できる事業の規模が変わります。40歳で卒業を迎える私たちの組織にとって、会員拡大は組織の存続に関わる命題です。会員拡大の活動には、組織の存続や事業規模拡大という業務的な目的がある一方で、新しい仲間との出会いという楽しみもあります。出会いは人を成長させるというように、新しい仲間ができることは会員の成長につながります。組織と個人の成長のため、新しい仲間を増やしていきましょう。

2024年度は50名体制という悲願を達成し、次の年につなぎたいと考えます。

【結びに】

「楽しい」とは、ワクワクやドキドキといった期待を伴い、物事に対して前向きである感情だと考えます。

毎日、あふれるほどの情報を得ている現在の社会では、楽しそうかどうかが多くの人の行動を決める基準になっていると考えます。「明るい豊かな社会」の実現に向けて、そのような判断基準を持った人たちで構成されるまちをより良く変えていくには「楽しい」を意識しなくてはなりません。

「楽しい」を演出した広報活動は対象者に関心を持たせ、その先の行動を起こさせる力となります。

「楽しい」を意識した事業は、対象者の事業に関わる意識を前向きなものにでき、その事業の効果を引き上げることができます。

また、私たちの活動に関しても、「楽しい」と感じながら前向きな心持で在ることは、私たち自身の体を自然と動かす力となり、より大きな運動の展開につながるものと確信します。私が考える「明るい豊かな社会」を実現するためには、私たち自身が活動を楽しんでいることが重要です。
2024年は「楽しい」を原動力にしながら運動を展開してまいりましょう。